我が闘争(抄訳)
『我が闘争(抄訳)』の全文佛蘭西との総決算
この際我々はフランスとの総決算を行うべき時代が到来していることを感じる。何故かなれば、我我が欧州に於て領土の拡張をすべく行動を起した時、我々の背後をフランスに依って脅かされることは、非常に大きな支障となるからである。この総決算が如何なる形式と内容のものであるかは言明の限りではないが、以上の目的のためには、何としてもフランスとの間に問題の起らぬ根本的な解決方法を講じておかなければならぬ。
更に、民族国家は他国の利害に拘泥することは禁物である。その眼は専ら我が民族のために戦うと云う意識の上に向けられていなければならない。他国の利害を考えるというような国際的センチメンタルからは、決してその民族の大は生れて来ない。輝かしい未来は国家のために戦う兵士によってのみ招来されるのである。
既にナチ党にとって、ドイツ民族のために新領土を獲得すると云うことは、単に権利であるに止まらず、既に義務となっている。茲に於て我々は今日只今より従来のドイツが採り来った対外政策を放棄する。そして我々は、ドイツ人の流出すべき方向として、眼を東方に転ずべき時に立っていることを知るのである。