我が闘争(抄訳)
『我が闘争(抄訳)』の全文ムッソリーニは偉大だ
ドイツが斯かる状態にあるとき、アルプスの南に於ては、既にムッソリーニが、イタリアとマルクス主義とは供に天を戴かずと云う気概を以て、敢然と之の絶滅に邁進していた。率直に云って私は、国家のために、国民の敵を撃砕せんとしつつあるムッソリーニに、欣慕の情を禁ずることが出来なかった。それだけにドイツ国内の現状は私に長大息と憤激を与えるばかりであった。
ドイツがその鉄鎖の桎梏から脱せんがためには、如何なる犠牲を払っても、マルクス主義を全滅させなければならない。之を為し得て、始めてドイツは更生し、解放されるのである。彼等が我々の陣営内に巣喰っている以上、我々には絶対に完全なる勝利はあり得ない。
凡ては指導者にある。強力なる指導者のみが、之をよく為し得る。
最後に私は、一九二四年の春行われた我々への大公判廷に於て、私が行った演説の結語をここに引用しよう。
「この国の裁判官は我々を断罪するかも知れぬ。しかし歴史は、―より大いなる真理と、より完全なる法の女神は、他日微笑してこの宣告を引裂き、我々の凡ての罪を赦すであろう」―と。