我が闘争(抄訳)
『我が闘争(抄訳)』の全文日本とユダヤ人
如何なる場合にも我々はユダヤ人を忘れてはならない。このことを我々同様に痛感しているのはファシスト・イタリアである。イタリアは我々より一足先に、その絶対的な国家権力を以て、この怪物の牙を抜き取る工作に取掛り、既に半ば以上成功せんとしている。
しかしイギリスに於ては、事ユダヤ人に関する限りイタリヤとは逆の現象を呈している。そこではユダヤ人の根が深く蔓り、経済界に於ても言論界に於ても、抜くべからざる支配力を持っている。従ってこの国家の利益がユダヤ人の利益の方向に結びつけられていることは当然ではあるが、時として又両者の利益が全然相反するような場合も生ずる。そのよき例は、嘗て日本と米国との間に危機が孕まれた時の英国の態度に見ることが出来る。
元来英米は同文同種の兄弟国である。従って英国としては、如何なる場合に於ても米国の側に立つのが自然の政策である。
又一方ユダヤ人にしてみれば、世界から帝国主義の民族国家を一掃して了い、その上ユダヤ王国を建設するのが究極の目的であるから、日本のような帝国主義国家は云うまでもなく、ユダヤの攻略の前によき目標とされている。
されば日米両国間に危機が到来し、あわや戦争の幕が切って落とされんとする気配の見えた時には、当然英国政府も英国内のユダヤ人勢力も米国に組して、之を大いに支持すべきものとみられるのが至当である。しかるに英国政府は、種々の方法を尽して日本の手を握ろうとしたのであった。之は明らかにユダヤ人の利益とは相反するものである。
然らば何故英国政府が、国内のユダヤ人の意志に反いてまで、日本に接近することを計ったか。それは云うまでもなく、米国に依って日本が倒された時、米国が非常に強大な国家となることを怖れたからである。現在に於てすら米国は「イギリスは四海を支配する!」と云う誇りに対して、大きな脅威を与えている。それが若し現在より以上に強力化したなれば、英国は明かにその地位を奪われなければならぬ。さればこそ骨肉に反いて、ひそかに日本と提携するの政策を選んだものであった。」
ドイツの場合をもう一度考えてみても、かの大戦に於てドイツを破壊したのは決してイギリス人ではなく、明らかにユダヤ人であった。之と同様のことが日本に就ても云い得るのである。