我が闘争(抄訳)
『我が闘争(抄訳)』の全文突撃隊の綱領
ナチ党突撃隊が、秘密団体でもなければ、軍隊的な防衛団体でもないということは、或る意味に於て非常な重要性を持っていた。ここで少し我が突撃隊の組成方法に就て説明を加えておこう。
一、突撃隊の訓練は軍隊的な標準によるものではなく、専ら党の方針に従って指導された。
何事よりも突撃隊員は身体を敏捷に働かし得ることが第一である。その意味から云って、容易に役に立つこともない射撃なんかを練習するよりも、拳闘や柔道の方が遙かに有効である。ドイツ国民の中に六百万のスポーツマン的健康体を作り上げ得たならば、必要に応じて何時でも強力な軍隊を編成することが出来る。
二、何事をも秘密裏に行うことを厳しく禁じた。隊員もまた秘密を考えようとするものもいなかった。従ってその規模と力とを、全世界に誇示することが出来たのである。
秘密の会合を持つ必要がなかったから、如何なる場合にも堂々と会合した。堂々と街上を示威行進も行った。第一隊員の服装そのものからして、誰が見ても一目で突撃隊員であることが分るようなものを選んだ。三、着る制服と同様に隊の内部組織も飽くまで党の方針と合致するように図り、軍隊で行っているような方法は採らなかった。
斯うした方針の下に私は突撃隊精神の鼓舞を図ると共に、この原則によって自己をも導いて行ったそして一九二二年には、数に於て可なりの隊員を養成し得、我々の闘争勢力を益々旺んなものとさせることが出来たのである。