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我が闘争(抄訳)


『我が闘争(抄訳)』の全文

戦争は必要だ

ドイツの政治家達が後生大事に握っているところの独墺同盟を見ると、一体同盟とは何者であるかと叫びたくなる。

同盟とは、少くともドイツが将来何事かをなす際に、ドイツだけの独力でやるよりも、同盟国と提携してやる方が、容易にその目的物を獲得出来るために結ばれたものではないか。然るに何ぞやオーストリアは、同盟国であるドイツを拒否せんとの下心を持っているのである。一体何のために同盟を結んでいるのだとの疑問や 憤り は、恐らくこの間の事情を知る者の心に等しく起る想念であるに違いない。

今私はドイツの人口問題を考えてみる。ドイツは年々九十万の人間が増加しつつある。之は巨大な数である。この膨大な家族達に常に充分な食糧を与えるということは容易ならぬ問題である。限られた領土内に於て、その国民の餓死を避けるためにはどんな方法があるか。私は先ず次の四つの点から私の考えを纏め上げねばならぬと思った。

一、先ずフランスのように、人工的に産児制限をして、余計な人間の増加を食い止めるという方法である。

しかしこの方法は決して賢明なものではない。自然の大法則を無視してこんな方法を採用したならば、成程人口は或る程度迄制限出来るかも知れないが、それと同時にドイツは必らず弱体化する。そしてドイツよりも強い民族が、いつかは必ずこの弱小国を喰いに掛るに違いないからである。

二、次に考えらるべきことは「国内開発」である。

この政策は決して悪いものではない。国内開発によって、顧みられなかった土地は開かれ、諸般の生産は著るしく増大するに違いない。しかしこれには自ら限度がある。限度のある仕事に対してすべてを注ぎ込もうとすることは、失敗の穴を目標に走り続けるようなものである。よしんばその限度が相当遠いものであったにしても、凶作の年には忽ち大きな飢餓に見舞われないと誰が保証出来るか。

土地――それは神が、或る特定の民族なり国家なりに与えたものではない。土地は常に之を制服する力と、これを耕作しようとする意力を持つ民族のために用意されている。国内開発によって、極めて限られた土地を開拓するということは、自分で自分の首を絞めるようなものである。敏捷で旺盛な力を持った他民族が、どんどんその版図を拡大し、栄えて行く時に、ドイツ国はただこつこつとドイツ国内の土地を耕作していなければならぬとするような政策は、決して当を得たものではない。

三、次の方法としては、毎年数百万の過剰人口をどんどん移住出来るだけの、新しい土地を手に入れることである。

四、さもなくば国内の産業と外国貿易を極力盛んにして、外貨を獲得することによって、国民の必要な物資を購入する。

この二つの方法が残されている。さてそれでは、最後に残されたこの二つのうちで、何れが最も良い方法であろうか。云うまでもなくそれは、新しい領土を獲得することである。新領土を持つことは他の如何なる方法よりも、計り知れない程の利益を齎すことが明白であるからだ。例を現在にとって見ても、若し我々の祖先が、その当時も多数に存在していた平和主義者共のお題目に惑わされて、平和主義の上に立脚した政策を採っていたとしたならば、ドイツは現在の三分の一の領土も獲得することは不可能だったに相違ない。

今日の欧州に於ける多数の国家を見るがよい。彼等の本国はさほど大きくはないにも拘らず、その領土に至っては、何れも素晴らしく広大なものである。之等の国はその頂点を欧州国に持ってはいるが、長大な三角形の底辺をその領土や植民地に置いて、羨ましい程の貿易効果を上げているのだ。

之等の領土は如何にして獲得されたか。それは決して平和的な手段によったものではなかった。物々しい武装と、その武装に相当するだけの固い決意との下に、力によって得られたものである。大きな苦痛と犠牲とを忍ぶ戦争によってのみ、勝利が齎されたのである。戦争は必要だ。勝利を 希 う民族にとっては、それのみが唯一の勝利の道である。従って、同盟なるものは、すべてこのことを念頭に置き、このことを目標にして締結されなければならない。

若し欧州の中でドイツが獲得すべき土地があるとしたならば、それはどの点から見てもロシアを犠牲にしてのみ行わるべきであった。従ってドイツ人が、自ら鍬を振って耕すことの出来る土地を得、その土地から必要なだけのパンを得ようとするなれば、所詮は嘗て行った如く、先ずドイツ国民が武装して、戦士となって進軍することから始めなければならないであろう。

然るにドイツの指導者は、このことを考えなかった。今ドイツが新しい土地を得ようとするなればそれは限られた東方の土地あるのみだし、それを得ようとすれば、どうしても武力を使用しなければならぬ。しかるに彼等は戦争は真平であった。如何なる犠牲を払おうとも平和であるに越したことはないと思っていた。何故かなれば、彼等は既にドイツ国民を維持せんがために、あらゆる手段を尽すことよりも、ありとあらゆる手段によって世界平和を維持すべきであると云う考えに捉われていたからである。

この結果は、之等指導者はドイツにとってもドイツ国民にとっても、最も不利且つ不適当である答案を、前述の四つの問題の中から選び出した。即ち産業と貿易を振興させることによって、制海権を獲得しようと決意したのである。しかしこの政策も詮じつめれば、結局は戦争によって最後の決着をつけなければならぬ運命を持つものである。何故なれば、イギリスという巨大な植民地を持つ国が、当然この問題に対して大きな障害となるに決まっていたからである。


  • 『いわゆるヒトラー一派のガス室といわゆるユダヤ人の虐殺は、同一の歴史的嘘である。この嘘のおかげで、非常に大きな政治的・金銭的詐欺行為が容認され、そのおもな受益者はイスラエル国家と国際シオニズムであり、そのおもな犠牲者はドイツ国民―その指導者ではない――とパレスチナ民族全体である。』

    — ロベール・フォーリソン教授博士

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