我が闘争(抄訳)
『我が闘争(抄訳)』の全文国家は強力な武器である
とは云え私は、全ドイツ人の血が、これ等の毒素に依って汚されていると云うものではない。幸いにしてまだ多くの純粋なドイツ人を、我々は同胞として持っている。このことは、我々が全体的に消滅することから運命に依って救われているものであり、それなるが故に我々は、これに対して真剣なる研究と評価とを加えなければならないのである。
とまれドイツ帝国は、一切のドイツ人を抱擁しなければならぬ。そしてその抱擁されたるドイツ民族の中から、最も価値ある要素を集め、これを単に維持するだけに止どまらず、進んで徐々にそして正確に、これを支配的地位にまで高めるように努力しなければならない。
この見地よりして、国家は、一民族によって生命のための久遠の戦闘に使用さるべき、偉大にして且つ強力なる武器でなければならぬ。この武器は又民族の共同の意志をも表現しているものであるから、民族のすべてはそれに服従しなければならぬものである。
我々は民族の混淆雑種が、必ず優秀な民族性を破壊するものであるという自然の法則を、充分に認識しておく必要がある。更にこの法則は民族全体に於てのみならず、個人に於ても破られてはならないものである。若し之が破られたならば、民族の障壁が徐々に看過される危険率が増大するからである。この禁制が無視されることは、人類の使命の終りを招くものと思わなければならない。